糖尿病

妊娠糖尿病

血糖値をしっかりコントロールして母子ともに健やかに

妊娠糖尿病は妊娠中に初めて発見、または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常と定義されています。明らかな糖尿病は妊娠糖尿病に含みません。妊娠期間中の高血糖は軽度でも母児に悪影響を与えるため診断、管理に特別の配慮が必要であること、また産後に母体の糖代謝異常が改善しても一定期間後に糖尿病を発症するリスクが高いことから、独立した項目として取り扱われています。

妊娠糖尿病の危険因子には、尿糖陽性、糖尿病家族歴、肥満、過度の体重増加、巨大児出産の既往、年齢などがあります。



<妊娠糖尿病の診断の流れ>
妊娠初期・中期に随時血糖値100mg/dL以上
50gグルコースチャレンジテスト…食事時間に関係なくブドウ糖50gを飲み、1時間後の血糖値が140mg/dL以上



75g経口ブドウ糖負荷試験
絶食で受診し、ブドウ糖75gを飲んで採血を行い、血糖値を測定します。

前値 92mg/dL
1時間値 180mg/dL
2時間値 153mg/dL

この3項目のうち1項目以上満たす場合に妊娠糖尿病と診断する

<妊娠糖尿病の治療と目安>
妊娠中の血糖値の目標値は健常妊婦さんと同程度の血糖値を目標とします。
妊娠糖尿病は食事療法、運動療法に加え、薬物療法としてインスリン療法が必要になる場合があります。

血糖コントロールの目安:
血糖値
食前 60-100mg/dL
食後1時間 140mg/dL以下
食後2時間 120mg/dL以下
HbA1c 5.8%以下
GA 15.7%以下