糖尿病

1型糖尿病

 1型糖尿病は膵β細胞の破壊により絶対的なインスリン欠乏に陥る糖尿病で、通常は生存のためにインスリン投与が必要となります。膵抗原に対する様々な抗体が検出される症例が多いことから自己免疫機序による膵β細胞機能破壊が病因と推定されています。しかし、特発性とよばれる、膵島抗原に対する抗体が検出されない例もあります。

 膵β細胞の破壊の速度は様々で、典型的なものは糖尿病症状発症から数週ないし数か月で膵β細胞が完全に破壊されインスリン依存となる急性発症型ですがが、数日の経過で急激に進行してインスリン依存状態となる劇症1型糖尿病、数年の経過を経て破壊が進みインスリン依存となる緩徐進行型も存在します。また、1型糖尿病ではBasedow病、慢性甲状腺炎、Addison病など自己免疫疾患を合併することがあり、注意が必要です。