「はしか」について

最近「はしか」が話題です。当院にも多数のお問い合わせを頂いております。

はしか 全国で感染確認相次ぐ “不安な大人はまず検査を”

2024年3月21日 21時13分 医療・健康

東京や大阪をはじめ全国で相次いではしかの感染者が確認されています。海外から帰国したり、観光で入国したりした人から感染したとみられ、ワクチンの接種を希望する人からの問い合わせが相次ぐクリニックもあり、専門家は「大人はまずは抗体検査などで自分の免疫を確認して必要性を判断してほしい」と呼びかけています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240321/k10014397901000.html

現在、血液検査は可能です。自費検査にはなりますが、当院では医療従事者の免疫獲得の指標に用いるEIA法による検査を受け付けております。医療関係者の方々や、病棟実習前の学生の皆様が検査に御来院になられます。ただ、検査は受付でお渡しする形なので解釈に悩んでおられる方もいらっしゃると思います。検査会社からの結果は基本的には「陰性」か「陽性」か、です。ですので「陰性」の方は免疫が無いので罹患するリスクがあります。では「陽性」なら大丈夫なのか、です。

質問
 ワクチン接種の基準となるウイルス抗体価を教えてください。
回答
 医療関係者(患者と接触する可能性のある実習生を含む)は伝染力の強い細菌やウイルス等に暴露する機会が多く、医療関係者自身が感染症から身を守るためだけでなく、周囲の患者や医療関係者への院内感染を防止するため、また医療関係者の欠勤等による医療機関の機能低下(損害)を防ぐために、免疫を獲得した上で勤務・実習することが重要です。
 
 これまでウイルス感染症に自然感染すると一生罹らない(終生免疫)と考えられていましたが、高齢化や抗癌剤・免疫抑制剤・ステロイド等の治療により、免疫が低下した場合、感染する可能性があります。免疫の持続期間は自然感染で40~50年、ワクチン1回接種で約10年といわれています。よって、感染歴、ワクチン接種歴があっても免疫能の有無を抗体検査で確認します。
 
 発症予防に十分な抗体価が無い場合はワクチン接種によって免疫を増強します。十分な抗体価を有する場合、ワクチン接種は不要です。
 
 ワクチン接種の目安となる検査方法および抗体価の参考値を下表に示します。検査方法によっては「陽性」=十分な抗体価とは限りませんので注意します。


CRCホームページより引用
https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/123.html

このように抗体価には幅があるので、十分な抗体価をお持ちの方もいらっしゃれば、1回予防接種を受けた方が良い方もいらっしゃるということになります。

ただ、報道の影響もあり、接種希望の方が急激に増えた結果として、全国的に麻しんワクチンやMRワクチン(麻しん風しんワクチン)の供給が滞る事態に陥りました。

厚労省など “子どもの定期接種ワクチンは確保”

厚生労働省などによりますと、はしかを予防するワクチンについては、「定期接種」と呼ばれる子どもが公費で接種する分については必要量を確保しているということです。

ただ、定期接種以外の人が接種を希望したため、一部の地域から定期接種の子どものワクチンが不足しているという報告があがっているということです。

一方、製造・販売する大手国内メーカーは、ことし1月、ワクチンが十分に効果を発揮できるとされている数値が国の基準を下回ったとして一部のワクチンを自主回収し、はしかと風疹の混合ワクチンのみを出荷する状況が続いています。

この会社を含めた国内の製造販売会社などは、子どもが公費で接種する分については必要量を確保できているとしていますが、接種を希望する大人が想定以上に増えるなどして子どものワクチンが不足する事態を避けるため、当面、出荷を限定して行うとしています。

厚生労働省によりますと、定期接種の対象となっている子どもの接種を確実に行うほか、熱や咳のほか目の充血や発疹など、はしかを疑う症状がある場合は、公共交通機関の利用を控え、医療機関に事前に相談して指示に従ってほしいとしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240321/k10014397901000.html

定期接種の対象者である子供のワクチン接種を優先すべきであることは論をまたないことであるのは言うまでもありませんが、現実当院でも発注しても納入されない状況が発生しております。ワクチンの供給が再開されれば対応は可能ですが、現在のところ見通しは不透明です。

皆様におかれましては、手洗いやマスクなどこれまで通りの感染対策をお願いいたします。

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