飲酒が新型コロナワクチンに与える影響ってあるの?

いつもいんべクリニックをご利用いただき誠にありがとうございます。

当院では既に5回目のワクチン接種を受けて頂いている方々も多くなって参りました。最近は希望される方は既に接種が終えておられるのか、ワクチンの予約状況も落ち着いてきました。そこでワクチン接種の際にご質問の多かった内容について、この場をお借りして回答しようと思います。

新型コロナワクチン接種の際に「お酒飲んじゃだめなんですか?」と質問されることが少なくありません。

厚生労働省のリーフレットにも過度の飲酒を控えるようにとは記載されていますが、やめてくださいとは記載されていません。

ワクチンの接種前後に飲酒をしても問題ないでしょうか。

少量の飲酒は大きな問題になることは考えにくいですが、過度の飲酒は避けた方がよいでしょう。

短期的な少量の飲酒が免疫に大きな影響を与えることは考えにくいですが、過度の飲酒は免疫機能を低下させる可能性があります(※1、※2)。ワクチン接種後は、発熱や頭痛、倦怠感などの副反応が出ることがあり、過度の飲酒により症状がさらに強くなる可能性があるため、避けた方がよいと考えられます。また、接種当日の体調を整えるためにも、接種前日の深酒も避けた方がよいでしょう。

新型コロナワクチンQ&Aより

当院で少なくとも飲酒を控えてくださいとお伝えしている理由の一つに「ワクチンの効果が減ってしまう」ということがあります。

次のグラフをご覧ください。

Dose-response association between alcohol consumption and anti-SARS-CoV-2 spike IgG titers.

Use of heated tobacco products, moderate alcohol drinking, and anti-SARS-CoV-2 IgG antibody titers after BNT162b2 vaccination among Japanese healthcare workers

日本人を対象に新型コロナワクチン2回目接種後のワクチン抗体価の関係を示したグラフです。下に行けば行くほど、ワクチン抗体価が低くなることを示しており、右に行けば行くほど飲酒量が多いことを示しています。この研究では少しの飲酒量でもワクチン抗体価の低下が確認されています。

せっかく日程調整をして痛い思いをしてワクチン接種をするのなら、ワクチンの効果を高い状態で保ちたいと思いませんか。

当院は肥満症の専門的医療を提供しておりますので、肥満症で受診されている方も多くお見えになります。肥満症の方々が新型コロナワクチン接種を行った方が良いのには理由があります。

下のグラフをご覧ください。BNT162b2 vaccineとはPfizer社製の新型コロナワクチンで、従来型ワクチン(1価)のことです。この研究では肥満度と従来型ワクチンでの抗体価を検討しています。赤色が女性、青色が男性を示しています。横に行けば横に行くほどより肥満の程度が重たい方を示しており、下に行けば下に行くほど新型コロナワクチン2回目接種後のワクチン抗体価が低くなっていることを示しています。

Sex‐specific cubic spline curves in the association between estimated GMT of anti‐SARS‐CoV‐2 spike IgG and BMI. Data are shown as geometric means with 95% CI predicted by linear regression model, including the following variables: a cubic polynomial of BMI (continuous); sex; an interaction term of BMI and sex; age (continuous); days after the second vaccination (continuous); and history of COVID‐19. AU, arbitrary units; GMT, geometric mean titers

Sex‐associated differences between BMI and SARS‐CoV‐2 antibody titers following the BNT162b2 vaccine

新型コロナウイルス感染症が蔓延した当初、基礎疾患が無くても肥満の男性の死亡リスクが高いことが報道されていたことを記憶されている方は多いのではないでしょうか。こちらの研究結果からも肥満男性は抗体の獲得が低下していることが分かります。

それではワクチンは打っても変わらないのでしょうか?Antibody responses and correlates after two and three doses of BNT162b2 COVID-19 vaccineによると2回接種後まではワクチンの抗体価は「年齢」・「肥満」・「基礎疾患」の影響を受けるが、3回接種後はそれらの影響は消失したと報告しています。

新型コロナワクチン接種が2回目までの「初回接種」で終わっている方は、3回目以降の「追加接種」を是非ともご検討下さい。

当院で3回目以降の追加接種を受けに来ている方々のお話を伺うと、初回接種がモデルナワクチンの方は発熱などの副反応で1週間程度仕事にならず、こんな思いをするくらいならもう新型コロナワクチンは打ちたくないとおっしゃる方が少なくありません。ただ、ファイザーワクチンはモデルナワクチンと比べて発熱などの副反応が軽いと伺うことも多く、副反応が理由でワクチン接種を見送ってきた方々は、是非ファイザーワクチンの接種をご検討下さい。

現在新型コロナウイルス感染症以外にも、インフルエンザA型も流行しており、当院でも抗ウイルス薬を処方する機会が増えて参りました。10年に1度の大寒波到来で、体調を崩しておられる方々も増えて参りました。どうぞ体調管理にはお気を付けください。

いんべクリニック
院長 忌部尚

関連記事

  1. 新型コロナワクチン接種に使用する「針」について

  2. 新型コロナワクチン、初回接種・追加接種

  3. 時間帯によって数値の変動がある血液検査について(例えばコルチ…

  4. 今日は世界肥満(症)デーです

  5. 小児の新型コロナワクチン接種について

  6. 当院の最寄りの薬局はどこなのか?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

AI相談窓口