医療の視点で考える、無理のないダイエットのすすめ

いつもいんべクリニックをご利用いただき誠にありがとうございます。

最近、食事に対する関心が高まっているように感じます。そこで今回は、食事についてお話ししたいと思います。
昔、「美味しいものは糖と脂肪でできている」というCMがありました。覚えている方もいらっしゃるかもしれません(かなり昔の話ですが)。実際に、私自身の実感としても、美味しいものには炭水化物や脂質が多く含まれており、ついつい食べ過ぎてしまうことがあります。
私は、肥満症(BMI25〜35)や高度肥満症(BMI35以上)の方の診察をする機会が多いのですが、患者さんのお話を伺うと、以下のような食生活の傾向が見られます。

  • お腹いっぱいになるまで食べてしまう
  • ご飯(白米)が好き
  • 野菜が苦手
  • ラーメンとチャーハンはセット
  • ご飯はあまり食べないが、カフェで甘いラテを飲む
  • 友達とよく食べ放題に行く

私自身、最近は年齢のせいか、昔ほど食べられなくなりましたが、基本的には「美味しいものは美味しい」ですよね。
しかし、減量のために大切なのは、現在の摂取カロリーからどれだけコンスタントに減らせるかです。そのためには、ちょっとしたコツが必要です。

減量のコツは「自分の摂取カロリーを知ること」


そうはいっても、「カロリー計算は難しそう」と思われる方も多いでしょう。しかし、スマートフォンをお持ちの方なら、アプリを活用するのが便利です。
例えば、「FiNC」や「あすけん」などのフードレコーディングアプリを使えば、手軽にカロリー管理ができます。無料機能でも十分にカロリー計算が可能で、課金すれば栄養指導を受けることができるアプリもあります。

減量のためのカロリー設定


自分の摂取カロリーを把握したら、次に大切なのは減量のためのカロリー設定です。目標体重については、主治医と相談しながら、病状に応じた適切な目標や達成期間を決めることが重要です。
具体的に実践しやすい目安としては、「現在の摂取カロリーの70%程度に減らす」ことが取り組みやすいと考えられます。

医療機関でのサポートも重要


最近では、パーソナルジムを利用し、運動習慣をつけながら栄養管理も行う方が増えています。しかし、ジムは医療機関ではないため、血液検査などでの健康状態の確認ができません。その結果、せっかく頑張っているのにも関わらず、職場の定期健診で尿酸値やコレステロール値の異常を指摘され、生活習慣改善を断念してしまうケースもあります。これは非常にもったいないことです。
医学的に減量が必要な方は、医療機関での助言や治療を受けながら、安全に減量を進めることが大切です。肥満症の診療は専門性が高いため、日本肥満学会認定の「肥満症専門医」の診察を受けることで、健康的な生活の維持につながると考えています。ただ、多くの先生方は大学病院などでの診療が主で、受診へのアクセスが容易ではありません。是非私たちを頼って下さい。

医療機関での治療方法


当院では、主に以下の方法を用いて減量治療を行っています。
生活習慣の改善(食事・運動指導)
行動療法(食事の記録、食行動の改善)
薬物療法(必要に応じた処方)
また、外科治療が適している方には、大学病院などの適切な医療機関をご紹介し、病診連携を通じて質の高い医療の提供に努めています。
減量を無理なく継続するために、ご自身に合った方法を見つけ、医療機関を活用しながら健康的な生活を目指しましょう。

追記:
土曜日に関西テレビで放送している「ウラマヨ」という番組で、肥満症に対する食事についてコメントする機会がありましたので食事について記事を書きました(https://www.ktv.jp/uramayo/250208.html)。既にTVerでは見れないのですが、ちょっとだけ出演しておりましたので、ここにご報告いたします。

関連記事

  1. コレステロールって何が影響するの?

  2. 御礼

  3. クリニックの入り口

  4. 新型コロナワクチン接種に使用する「針」について

  5. 小児の新型コロナワクチン接種について

  6. 肥満症治療について(当院における最近の傾向)

AI相談窓口