アナフィラキシーショックについて

いつもいんべクリニックをご利用いただき誠にありがとうございます。ワクチン接種の際のアナフィラキシーショック報道で、皆様も注目することになったアナフィラキシーショックですが、どのようなものかご存じの方は決して多く無いと思います。そこでアナフィラキシーショックについて簡単に説明をさせて頂きます。

アナフィラキシーショックとは

アナフィラキシーとは、IgE型の全身アレルギー反応(I型アレルギー反応)であり、抗原が生体内に侵入することによって複数の臓器や全身にアレルギー症状が表れる症状のことをさします。アナフィラキシーショックは、迅速に進行する全身性の反応で、生体に異物に対するアレルギー反応が引き起こされ、血圧が急激に下がり、呼吸困難、皮膚に赤みや腫れ、めまい、喉の渇き、嘔吐などの症状を引き起こす現象をさします。アナフィラキシーショックは、急性期には重症化する可能性があり、重篤な場合は死亡に至ることもあります。早期発見と対応が重要です。

どのような人に起こりやすいですか?

アナフィラキシーショックは、遺伝的・環境的な要因によって異なりますが、以下のような人に起こりやすいとされています。

  • アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギーなど)の患者
  • 過去にアナフィラキシーショックの経験がある人
  • 抗生物質、特定の薬剤、血液凝固薬、抗菌薬などに対するアレルギー反応がある人
  • 免疫不全状態の患者
  • 食品アレルギーを持つ人

ただし、誰にでもアナフィラキシーショックが起こる可能性があることも覚えておく必要があります。また、アナフィラキシーショックは初めての発症もあり得ます。予防のためには、アレルゲンを特定し、アレルギー反応を引き起こす環境や物質に避けることが重要です。

どのような治療法がありますか?

アナフィラキシーショックは、迅速な治療が必要な重症の状態です。下記が一般的な治療法です。

  1. 速やかな救急処置:最寄りの医療機関で速やかに医学的処置を受ける必要があります。呼吸困難や心臓の停止などの重症状態が起こった場合は総合病院の救急外来で治療を受ける必要があります。
  2. 蘇生法:心臓マッサージや人工呼吸などが必要な場合があります。
  3. 薬物療法:エピネフリンなどの救急薬を使用して、血圧の上昇や呼吸回復を図ります。
  4. 酸素療法:呼吸困難が起こった場合には、酸素マスクなどを使用して、酸素を補充します。
  5. 長期的な治療:アレルギー原因の物質を特定し、避けることなどが必要です。

重要なのは、アナフィラキシーショックが起こった場合には迅速な治療が必要であり、適切な治療を受けられる場所まで早期に移動することです。当院は応急処置を行うことは可能ですが、入院設備が無いため長時間の経過観察は困難です。アナフィラキシーショックと診断し、応急処置の後は入院を行うことが必要です。また、アレルギー原因の物質を特定し、今後の予防のためにアレルギー診断を受けることも重要です。

最後に

アナフィラキシーショックはこれまで大丈夫だった医学的処置でも、突然発症することがあります。元々アレルギー体質の方や、実際にアナフィラキシーショックの経験のある方は、これまでに受けた治療やアレルギー歴を簡単にまとめた紙を持ち歩くことで、急な体調不良の時でも医療者・介助者に自分の体質を伝えることが出来るので、不慮の事態に備えるように心がけましょう。

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